落魄の月

よしなしごと

週末はきた

 日曜日です。世の中的にはGWらしいですけど、ちっともそんな気が……というか普通に仕事だ。世情的になんだか損をしている気分。休日なのでひさしぶりにゴスロリ服をきこみました。sheglitのバッスルロングワンピース。バッスルスタイルは憧れ。めかしこんでもでかけるのは近所の川辺なんだけど。それととにかく革靴を磨きたいのだけれど、革靴クリームを売っている店で開いているのはどこなんだ。通販するしかないのか。この革を手入れしたい欲求の行き場を与えてくれ。使ってる鞄も革なので、本当に手入れがしたい。最近雨が降って濡れたから手入れを。高かったから大事に使いたいのです。4月だと例年はハンズで革手入れ用品が安いんだけど通販か。通販するしかないのか。

 

さて、本日ご紹介する本はこちら。講談社文庫から5ヶ月刊行されます中村ふみの「天下四国シリーズ」でございます。四国なのになんで5ヶ月連続なのかっておもいます?これホワイトハートで出てた本で、そっちは4冊できっかりこっきり終わりました。んで講談社文庫に移植することになって、なんと、ファンには喜ばしく5巻目がでるんですね。きゃー!わー!!すごーい!!ありがとう講談社ー!!

 

天空の翼 地上の星 天下四国 (講談社文庫)
 

 

 

天空の翼 地上の星 (講談社X文庫)

天空の翼 地上の星 (講談社X文庫)

 

 

 変わったのは表紙だけで中身は書き直しなどは入っていないようです。表紙見たとき、こいつ誰だっておもいましたけど。これ主人公の飛牙か。こいつこんな美人だったのか。そりゃあ女も男もひっかけられるよな。講談社文庫なんですが挿絵もそのままついててなんだか不思議な気分。

 この中村ふみというひと、最初に読んだ本は『夜見師』ってやつで、表紙でほいほいされただけなのですが、読んだら「なにこれおもしろい。この作者の本全部読もう」となりました。著者略歴をみるとゴールデンエレファント賞なる謎の賞が。一応第二回までの受賞者は確認しました。受賞作は『裏閻魔』という作品で、不老不死の青年の幕末から戦後までの100年間の話を単行本2冊でまとめるという、ほんとうにデビュー作なのかという中身。デビューで2冊上梓って、賞がすごいのかという気もしますが、読んだらこれもおもしろく。どっか文庫でだしてくれないかな。どの本も好きなんですが、この天下四国シリーズのすごいところは、先に刊行予定がでているにもかかわらずきっちりそれ通りに刊行し、なおかつシリーズとして4作でまとめて終わっているところ。もちろん話がおもしろいのは当然。なにこのスケジュールのまとめ方。有能か。

 中華ファンタジーでシリーズ名からわかるとおり四つの国にまつわるものがたりです。戦いが続く土地を四つに分割しておさめよと天に命じられてできた国。しかし300年続くそれらの国に軋みが生じ始めていた。まず倒れたのは南の国。徐は干ばつが原因で飢饉が起き国が荒れ、そうして山賊あがりの人間が易姓革命という名聞で王を殺し、庚という国になる。徐の最後の王子は城が落ちる前に王になり、天から授かったという玉を身に宿して落ち延びる。少年は国境を越えて異境に行っていたが、やがて成長し自分の国へ帰ってくる。するとそこに天の使いだという少年があらわれる。少年は彼に身に宿している玉を返せ、それは天に持ち帰ると言ってくる。昔は無垢で純粋で輝かしい少年王子は、いまや盗みもするし女も男もひっかけるしですれっからしの青年になっており、国が混乱している中助けもしてくれなかった天を今更信じられないと玉は返してやらないとつっぱねる。隠して元王様と王様に天の宝の返還を求める少年の二人旅が始まる。

 まずお国についてそうそう、女をひっかけ宿代をせしめようとしたところ、太守の妻で浮気相手としてつかまり餓えた虎におっかけまわされ処刑されそうになる。つぎに王都についたらぼったくりの宿に案内され……となかなかのトラブルメーカー。お堅い天令の少年ものらりくらりと返すの返さないのという青年にひっぱりまわされる。一方興ったばかりの庚はというと、有能な人員は誰彼構わず殺しまくって国の運営はおぼつかなくなり、あんなに元気だった王様も今じゃ病気で死ぬ間際。実は王の病気には裏があり……、はいネタバレしますよーネタバレー。

 

 元王様の飛牙には幼馴染みがおりました。この幼馴染み、一生の伴侶(もうこれはつっこみどころじゃなくて本人としては確定事項なのでそういうことにしておく)としてついて行くと心に決め、飛牙の身代わりをしてこちらも逃げる。そして死んだとおもったところを仙人に助けられる。穏やかな生活を送っていたが飛牙の首が城に運ばれたときき、復讐の念が生まれる。そのときすぐにでも知識と力を手に入れる方法を知り、その実行の機会が訪れる。そして闇堕ちヒロインの誕生です。王様に毒を盛っていたのは後宮に宦官として潜り込んでた彼だったんですね!

 主人公の元王様、人たらし能力が高く、ついでにお人好しもすぎる。あと愛嬌もあってかわいい。でもふてぶてしくて生存能力も高い。ついでに人間だけじゃなく天の使いまでたらしこむ。たらしこんだ結果、天令と幼馴染みは闇堕ちしちゃったんで、助けるために万国巡り、天下四国を巡ることになると。幼馴染み裏雲の行動が愛情でめちゃくちゃおかしなことになってて、復讐で王様殺そうとしてたのに主人公は生きて戻って来ちゃうし、じゃあ主人公に王様になってもらおうとしたら主人公は玉座を蹴って旅にでるし、こちとら呪われの身だというのに昔のままの笑顔で一緒にとかいわれてくらっとしてみたりするし。2巻目以降も主人公のたらしこみ生活は続き、何故か各国を救ってしまったりするしが続きます。

 

 この本でてから3年なのか。3年前からずっとプッシュし続けて、講談社文庫からでて、今こそ布教をするしかない。買って!いいからかって!