落魄の月

よしなしごと

『真夜中のオカルト公務員』鈴木麻純

 ノベライズ版らしいことを知らずに買ってしまったのだけれど、人気シリーズらしくアニメ化もするらしい。

 主人公は新宿区の公務員として超常現象やら魑魅魍魎やらの対策をする課に就職することになる。すべてのオカルト的存在を「アナザー」とし、真夜中の騒音問題の原因がアナザー同士の領土争いとして新宿御苑を封鎖するのが初仕事。ところが主人公はアナザーの言っていることがわかる特殊な耳を持っていることがわかり……といったところ。

 オカルト存在をひとくくりを「アナザー」とくくってしまう乱雑さでもって、天使と天狗が恋愛関係に陥ったり、安倍晴明と南米の神が友達だったり、出典も文化もひっぺがして登場する。そこらへんをかろやかに無視できるのであれば、もしかしたらおもしろいのかもしれない。

 僕には無理だ。

 

 そういえば『英国幻視の少年たち』では超常現象や超自然的存在を「ファンタズニック」と総称してたな。