落魄の月

よしなしごと

『囮 探偵助手は忙しい』高岡ミズミ

 ものすっっっごくひさしぶりに高岡ミズミ。

 

 主人公はイラストレーターを生業にしているが鳴かず飛ばず。独立したいものの叔母の家に居候し、両親には心配をかける日々。そんな主人公に叔母が紹介してきたのが、とある探偵社での助手の仕事。呉服屋の次男坊という裕福な美青年がやっている探偵業に流されるまま付き合うことになった主人公は、「オカルト専門」だという仕事に「化け物に好かれやすい体質」をかわれて囮役として体を張ることになる。

 

 気むずかしくて人付き合いがない探偵となにくれと他人に好感をもたれる平凡な助手というある種の様式美。囮になる助手に「かならず守る」と誓う探偵、といったあたりもそれ。オカルト専門探偵という部分に関してストーリーは多大な疑問を残しつつ、ホワイトハートお家芸岡野麻里安的なBLぎりぎり路線を狙うのかとおもったものの、がっつりセックスしていてちょっと笑ってしまった。あてがうだけ、先っぽだけ、とかいいつつ全部突っ込むのは笑いどころのなにものでもない。