落魄の月

よしなしごと

『魔界都市〈新宿〉夜叉姫伝』全8巻 菊地秀行

 〈新宿〉にやってきた吸血鬼のお姫様ご一行様と魔界都市総力戦。せつらの糸でも切れない(まぁ「私」なら切れる)お姫様はせつらにご執心で、「絶望のうちに跪かせてやる!」と大変な殺戮模様でした。めふぃーは吸血鬼の仲間入りして、戸山の跡継ぎ・夜香もお姫様に魅了され、孤軍奮闘のせつらでした。

 お姫様はせつらを絶望に落とすために大変奮闘するんだが、戦力がすさまじいといっても「物理でたたく」というわかりやすさ。そして軍門に降ったかにみえためふぃーのお姫様に対する復讐が、絶好のタイミングで炸裂し、恋する女を最高の幸せから地獄の底へたたき込む一打でした。さすがせつらからも「あいつなにかんがえてるんだか」といわれる魔界医師です。最終局面でめふぃーが味方(でもないか私怨だな)になり、からくも勝利を収めた魔界都市の申し子・せつらでした。

 ちゃんと順番に読んでないので、夜香の着任とかトンブ登場とかこの巻からだったのかと知りました。夜香が妙にめふぃーにおよび腰なのはこの一件からなのだろうか。